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脊髄損傷と性機能障害
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脊髄損傷ではどんな障害が現れる?
まず、脊髄損傷についてどのような障害があるのかをご説明いたします。
脊髄損傷は交通事故や転落転倒、スポーツなどで大きな外力が脊椎に加わることで、脊椎の内側にある脊髄がダメージを受けてしまうことで引き起こされます。
ダメージを受けてしまった脊髄の高さによって手や足が動かせなくなってしまったり、感覚を感じられなくなったりしてしまいます。
また、排尿や排便が困難になったり、呼吸障害や血流調整障害、性機能障害なども症状として現れ、これらの症状は性生活や子づくりに大きな影響を与えてしまいます。

男性の脊髄損傷による性機能障害の症状
男性の脊髄損傷による性機能障害としては、勃起障害、射精障害、授精能力の低下(精液の質的劣化)および性感の欠如があります。
これらの症状は排尿方法と大きく関連しているため、急性期からの尿路管理がずさんであると、副性器の炎症を繰り返すことにより、精液の質的劣化をきたしやすいことが知られています。
また、脊髄損傷後には男性ホルモンが低下することも知られており、性欲の低下やうつ症状、睡眠障害などの症状が現れることも明らかとなっています。
女性の脊髄損傷による性機能障害の症状
女性の脊髄損傷による性機能障害としては、膣の湿潤の障害、オルガズムの障害などがあります。
これらの障害は個人差があり、特にオルガズムについては、自覚をすることができる方が多くいらっしゃるようです。
また、男性同様ホルモンのバランスについても、脊髄損傷は影響を与えます。女性の性機能はホルモンに依存する部分が大きく、受傷後に女性ホルモンの低下による無月経となることがあります。
また、妊娠・出産についても悪影響を及ぼすことがあり、帝王切開による出産となることが多くなるようです。
性生活にて起きうる問題とその対処法
脊髄損傷による性生活への影響は少なからずあります。勃起障害、身体の運動の制限により体位保持が困難であることや、行為中に尿や便の失禁、自律神経過緊張反射と呼ばれる頭痛、高血圧、徐脈、非障害部位の異常な発汗などが具体的に起きる可能性があります。
勃起障害に対しては、勃起障害診療ガイドラインによりバイアグラなどで知られるPDE5阻害薬などの薬物治療を検討してみましょう。
尿/便の失禁に対しては、性行為の前に排便をすませておくことや水分摂取の制限などが効果的とされています。
また、行為中の自律神経過反射の症状が現れた時には緊急事態ですので、行為を一時中断して、上半身を起こして血圧を下げなくてはいけません。

脊髄損傷は妊娠にどのような影響を与えるの?
脊髄損傷により性機能に影響がある場合でも、自然妊娠や経膣分娩が可能となることはあります。
一方で、妊孕性(にんようせい)の低下や性交渉の体位保持が難しいなど、パートナーとの経膣性交による子づくりには障害は少なくないようです。
経膣性交以外の妊娠方法として、生殖補助技術という医療手段があります。
生殖補助技術
生殖補助技術は大きく、子宮内人工授精と体外受精の2つに分けることができ、女性パートナーに脊髄損傷がある場合には、男性パートナーの精子を子宮内人工受精、男性パートナーに脊髄損傷がある場合には、射精液の採取の状況により子宮内人工授精か体外受精を選択することになります。
また、男性にて脊髄損傷がある時に注意するべき点としては、先ほど説明したように精液が質的に劣化してしまう点です。
このため、受傷期間が短いうちに精子を採取するという手法があります。受傷時や希望時に特定のパートナーがいない場合や結婚前であったとしても、将来に備えて、精子を採取して凍結保存しておくという手法があります。
まとめ
この記事では、普段語られることの少ない脊髄損傷による性機能障害の具体的な症状と、脊髄損傷後の性生活や子づくりについて詳しく解説しました。
もちろん、脊髄損傷による子づくりや性生活への影響は決して少ないものではありません。
しかしながら、正しく情報を知ることで、進歩する医療による子づくりや性生活を支えるサポートを受けることができるかもしれません。
自分自身、パートナー、周りの人で性生活や子づくりに悩んでいる人がいるのであれば、こんな方法があるよと紹介してあげて、まずは、医療機関に相談してみましょう。
この施術ページの監修医師

貴宝院 永稔(きほういん ながとし)
医療法人慶春会 福永記念診療所 部長
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役
学歴・職歴
- 平成15年3月
- 大阪医科大学卒業
- 平成15年5月
- 大阪医科大学附属病院にて初期研修
- 平成17年4月
- 大阪医科大学附属病院にて初期研修 修了
- 平成17年5月
- 大阪医科大学(リハビリテーション科)レジデント就任
- 平成19年3月
- 大阪医科大学(リハビリテーション科) 退職
- 平成19年4月
- 大阪医科大学大学院医学研究科(リハビリテーション科)入学
- 平成21年4月
- 医療法人伯鳳会 はくほう会セントラル病院 入職
- 平成23年3月
- 大阪医科大学大学院医学研究科卒業
- 平成30年2月
- 福永記念診療所 部長に就任





