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炎症性サイトカイン

炎症性サイトカインとは、免疫応答を調節し体調を保つ作用のある、細胞間の情報伝達を担う物質です。バランスの崩れはさまざまな疾患の原因となるため、バランスを整えるサイトカインカクテル治療の効果が期待されています。また、サイトカインのもつ修復作用は神経障害の新たな治療法になる可能性があります。

神経障害の新たな治療法となるサイトカイン

サイトカインとは

サイトカインとは、細胞から分泌されるタンパク質の一種で、細胞の働きをコントロールしています。
人の体は約60兆個の細胞からできていますが、サイトカインは周囲の環境や体の調子に合わせて細胞の働きをコントロールし、体調を維持する重要な役割を果たしています。
元々は造語で、「サイト」は「細胞の」、「カイン」は「作動物質」という意味を表しています。

特に人の体を外敵や異物から守る、免疫システムでは主要な役割を果たすサイトカイン。
免疫応答に関わるサイトカインは約50種類あり、お互いに影響しあってさまざまな免疫を調節しています。
サイトカインが正常に作用すると体を守り体調を維持してくれますが、サイトカインのバランスが崩れると自己免疫疾患などの原因となります。

免疫以外でもサイトカインはさまざまな役割を持ちます。
中でも成長因子や増殖因子と呼ばれる、体内の組織を修復する働きをもったサイトカインが注目を集めており、治療に応用しようとする動きがでてきています。

人の体にはサイトカインは約800種類存在すると言われており、近年にも新たなサイトカインの発見が続いています。
私達の意志と関係なく体調を維持してくれるサイトカインは、人の体に欠かせないものなのです。

炎症性サイトカインと抗炎症サイトカイン

炎症性サイトカイン、抗炎症サイトカインは免疫応答を調節するサイトカインです。
炎症と聞くとあまり良くないもののように聞こえるかもしれませんが、炎症性サイトカインは生体を防御するため人の体に備えられた機構の一つです。

炎症性サイトカイン

外敵や異物が体内に入ったり、組織が障害されたりしたことを体が認識すると、体内では炎症性サイトカインが産生されます。
炎症性サイトカインは白血球やリンパ球、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)などの免疫細胞に作用し、外敵や異物の除去、組織の修復を開始させるのです。
免疫システムを正常に作動させるために、重要な役割を果たしていることが分かります。

ただし、外敵や異物に関わらず炎症性サイトカインが過剰に産生されてしまう疾患があります。
関節リウマチやクローン病などの疾患は、自分の組織に対して免疫が誤って応答してしまう、自己免疫疾患です。
そのため、炎症性サイトカインの一種であるIL-6(インターロイキン6)などを標的とした薬物治療が行われることがあります。

抗炎症性サイトカイン

炎症性サイトカインが過剰に産生されないようにコントロールしているのが、抗炎症性サイトカインです。
炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインはお互いが抑止的に作用することで、バランスを保っているのです。
炎症性サイトカインにはIL-1やIL-6、TNFなどがあり、抗炎症性サイトカインにはIL-4やIL-10、IL-27などの物質があります。

パーキンソン病におけるサイトカインの役割

パーキンソン病は、脳の黒質という場所にある、ドーパミンを産生する細胞の機能が失われることでおこる神経の「変性疾患」です。
「変性疾患」とは、はっきりした原因がないにも関わらず、機能が徐々に侵され進行性に経過する疾患のことをいいます。
パーキンソン病やアルツハイマー型認知症、筋萎縮性側索硬化症などの神経の変性疾患は原因がわからず、治療の決め手がありません。

そうした状況の中、神経の変性疾患に「炎症」が関わっている可能性が近年指摘されています。
パーキンソン病の患者さんの脳を詳しく調べると、IL-1β、TNF-α、IL-6などの炎症性サイトカインが上昇していることが分かったからです。
今後このような「炎症」を標的とした治療が開発されていく可能性があります。

パーキンソン病は、炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインのバランスが崩れた状態、という捉え方ができるのかもしれません。

炎症性サイトカインに着目したパーキンソン病治療を研究する女性医師

神経障害に対するサイトカイン治療

体内の状態を一定に保つ働きのあるサイトカインですが、その作用に注目し以前から治療に応用されています。
代表的な治療が肝炎ウイルスや脳腫瘍などの疾患に対するインターフェロンです。
サイトカインの一種であるインターフェロンは、NK細胞やマクロファージなどの免疫細胞を活性化することでウイルスやがん細胞の増殖を抑える効果を示します。

その他、近年皮膚科や美容クリニックでアンチエイジングや美容目的にサイトカインを使用する施設が増えています。
これは、サイトカインの一種である成長因子や増殖因子といった、組織を修復する作用のあるサイトカインの効果を期待したものです。

そして、現在注目を集めるのが神経障害に対するサイトカイン治療です。
神経は一度損傷されると、ある程度までは回復しますが、一定のところで頭打ちになってしまいます。
脳梗塞や脳出血になった方が、発症早期には回復をみせるものの、後遺症を残してしまうのは神経の自然な回復能力に限界があるためです。

そこで、組織を修復する作用のあるサイトカインを投与することで神経障害の治療をしようという試みです。
名古屋大学で行われた研究では、脳梗塞や脊髄損傷による運動麻痺が、サイトカインの投与により改善したと報告されています。

神経障害の治療としては、幹細胞を使用した再生医療が新たな治療法として注目が高まっています。
サイトカイン治療は幹細胞治療と比較すると、細胞を使用しないために拒否反応がない(少ない)と思われ、他人のものでも使用できることから安心して治療を受けることができる、あらかじめ準備しておくことができる、などの利点があります。

当院で行うサイトカインカクテル療法

当院では、幹細胞を培養する際に生じる培養上清液(サイトカインカクテル)から抽出したサイトカインを治療に使用しています。
幹細胞は臍帯(へその緒)から採取したものです。

幹細胞は骨髄や歯、脂肪などからも採取することができますが、臍帯は元々胎児に由来する組織であるため、成人の細胞よりも増殖する力が強く、含有するサイトカインの量が高いと考えられます。

サイトカインを豊富に含むサイトカインカクテルは、点鼻で使用することができます。
そのため、ご自身で使用することが可能です。
投与後は20分ほど仰向けで姿勢を保つ必要があるため、ご自宅で夜間寝る時に使用されるのがおすすめです。

脳梗塞後遺症や脊髄損傷後遺症をはじめとした神経障害、その他サイトカインのバランスが崩れることで発症する疾患に対しての効果が期待されます。

臍帯由来 サイトカインカクテル
臍帯由来 サイトカインカクテル
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まとめ

炎症性サイトカインを中心に、体内の免疫応答の仕組みや、組織修復に働くサイトカインについて紹介しました。
元々体内に備わる、体調を維持するためのメカニズムを治療に応用するため、副作用の少ない自然な効果がサイトカイン治療に期待されています。
当院での治療をご希望の方は、ご連絡をお願いいたします。

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この施術ページの監修医師

貴宝院 永稔

貴宝院 永稔(きほういん ながとし)

医療法人慶春会 福永記念診療所 部長
ニューロテックメディカル株式会社 代表取締役

学歴・職歴

平成15年3月
大阪医科大学卒業
平成15年5月
大阪医科大学附属病院にて初期研修
平成17年4月
大阪医科大学附属病院にて初期研修 修了
平成17年5月
大阪医科大学(リハビリテーション科)レジデント就任
平成19年3月
大阪医科大学(リハビリテーション科) 退職
平成19年4月
大阪医科大学大学院医学研究科(リハビリテーション科)入学
平成21年4月
医療法人伯鳳会 はくほう会セントラル病院 入職
平成23年3月
大阪医科大学大学院医学研究科卒業
平成30年2月
福永記念診療所 部長に就任

資格

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